ここでは、一次式と数の除法について見ていきます。また、分数を含んだ積の計算も見ていきます。
一次式と数の除法
ここでは、次のような、一次式を数で割る計算を考えましょう。(12x+9)÷3
この計算は、【基本】正負の数の除法と乗法の関係で見た、「割り算は、逆数の掛け算と同じ」ことを使います。そうすると、(12x+9)×31と同じことがわかります。こうすれば、【基本】一次式と数の乗法で見たように、分配法則を使って計算できます。最初から書くと、次のような計算になります。
===(12x+9)÷3(12x+9)×3112x×31+9×314x+3
負の数で割る場合も、逆数を掛けて計算します。 (4a−12)÷(−4) であれば、次のように計算します。
===(4a−12)÷(−4)(4a−12)×(−41)4a×(−41)−12×(−41)−a+3符号に注意して計算しましょう。
一次式と数の乗法(分数)
先ほどは、一次式を数で割る場合には、逆数を掛けて計算することを見ました。この計算では、多くの場合、分数で表される数を掛けることになります。一方、一次式のほうが分数で表されているような計算をすることもあります。
例えば、次の計算を考えてみましょう。23x−1×6これは、分母にある 2 と 6 とを約分して、次のように計算します。23x−1×6=(3x−1)×3=9x−3この計算は、 3x−1 と 21 と 6 という3つの数の積を計算していることになります。うしろの2つを先に計算すれば、 3(3x−1) の計算になることがわかるでしょう。
約分ができる場合は約分を先にしたほうがいいのですが、もし 6 を分子に掛ければ、次のようになります。23x−1×6=2(3x−1)×6=218x−6分子全体に 6 を掛けないといけません。また、これを約分するときは、分子全体を割らないといけません。今の場合なら、どちらの項も 2 で割って、 9x−3 とします。
分子にある項全体を掛けたり割ったりしないといけない点に注意しましょう。カッコでくくられてはいませんが、分子はひとかたまりのものとして扱います。【基本】文字を使った式の表し方(商や分数との積)#文字を使った式での商の表し方(カッコのある式)で見たように、分子全体をくくるカッコは省略されるので、カッコがあるものとして扱いましょう。
次の例題で練習しましょう。
例題
例題
次の計算をしましょう。
(1)
24x÷(−4)
(2)
(9a−1)÷23
(3)
(−8)×43x−5
(4)
2−9x+12×31
(1)は、逆数を掛けて計算します。24x÷(−4)=24x×(−41)=−6xとなります。
(2)も逆数を掛けます。
===(9a−1)÷23(9a−1)×323(9a−1)×2318a−2となります。 18a と 3 を約分することはできません。分子全体を 3 で割っているので、一部の項だけを約分することはできません。
(3)は約分して計算します。
==(−8)×43x−5(−2)×(3x−5)−6x+10となります。分子にある 3x−5 は、これでひとかたまりなので、約分した後は (−2)×(3x−5) となります。 (−2)×3x−5 ではないので注意しましょう。
(4)は次のように約分をして計算します。
=2−9x+12×312−3x+4となります。分子全体を 3 で割らないといけない点に注意しましょう。また、分母の 2 と分子の 4 を約分することはできません。分子の一部分だけを約分することはできません。
おわりに
ここでは、一次式と数の除法や、分数を含んだ乗法について見てきました。分数の形を含む掛け算・割り算は、掛け忘れや割り忘れのミスが多いので、よく練習しましょう。