【標準】比例や反比例を利用する問題
ここでは、比例や反比例を利用する問題を見ていきます。
問題文から変域を考える問題
(1) の変域を求めなさい。
(2) を の式で表しなさい。
(3) と の関係を、グラフで表しなさい。

点Pは、点Aを出発して、点Dまでいきます。
AD=9cmであり、点Pの進む速さは毎秒1cmなので、最大で9秒進みます。これより長くは進めません。一方、出発するときは0秒であり、 がマイナスになることもありません。よって、 の変域は、となります。これが(1)の答えです。
は三角形ABPの面積です。三角形の面積を求めるには、底辺と高さがわかればいいですね。ABを底辺と考えれば、APが高さを表している、と考えられます。ABの長さは6cmです。APの長さは、点Pが移動した距離なので、 cmとなります。以上から、となります。これが(2)の答えです。
という関係と、 という変域がわかったので、(3)は、これらをもとにグラフをかくだけです。次のようなグラフとなります。
原点と とを結ぶ線を引けばいいですね。変域を考慮して、原点から出発して、 座標が9までのところで止めるようにします。
現実の問題に応用する場合は、このように、とり得る値が決まっていることがあります。この問題では、(1)で「 の変域を答えなさい」と言われていますが、問題によっては、書かれていないこともあります。その場合は、自分で気づかないといけません。問題を読んで、 のとり得る範囲は だな、と気づいて、この範囲でグラフをかかないと正解にはなりません。
歯車の問題
歯車とは、次のようなものです。
上の歯車が、例えば時計回りに回転したとしましょう。すると、歯がかみ合っているところによって、左の歯車も動き出します。動く向きは、反時計回りです。かみ合っているところが、左上のほうに行こうとするので、左側の歯車には、反時計方向に回る力が加わるからです。
この結果、右下の歯車も回ります。かみ合っているところは、右上の方向に行く力が加わるので、右下の歯車は、時計回りに回転します。歯車は、このようにして、回転を伝えていくためのもので、アナログ時計の中など、いろいろな機械の中で使われています。
歯数とは、歯車のまわりについている、ギザギザの数です。ギザギザの数が同じなら、片方が1回転するとき、もう片方も1回転することはすぐにわかるでしょう。しかし、歯数が違う場合は、少し難しいですね。
仮に、歯数が20の歯車と歯数が10の歯車がかみ合ってたとします。そして、20のほうが1回転するとしましょう。かみ合っているところに注目すると、同じ歯数分だけ回転しないといけないことがわかります。つまり、歯数が20の歯車が1回転するなら、20の歯数だけ回転するので、歯数が10の歯車も同じだけ回転する必要があります。そのため、 回転することがわかります。
同じ歯数分だけ回転しないといけないので、歯数が少ないと、より多く回転しないといけない、ということなんですね。このことから、歯数と回転数の積は、同じにならないといけないことがわかります。
このことを利用して、この例題を考えてみましょう。歯車A, B, Cの歯数は、それぞれ、16, 30, でした。歯車の動きを、順番に考えてみましょう。歯車Aが 15回転すると、歯数は だけ進むので、歯車Bも同じだけ進む必要があります。なので、歯車Bは、 回転しないといけないことがわかりますね。
これを受けて、歯車Cがどう動くかを考えましょう。歯車Bがどれだけの歯数分回転するかを考えると、 となります。この数字は、先ほど出てきた数字と同じですが、よく考えると、これは当たり前です。歯車A, B, Cはそれぞれかみ合っているのだから、回転する歯数は同じになります。つまり、実は歯車Bが何回転するかなんて、どうでもいいんですね。歯車Aが 分の歯数だけ回転したのだから、その回転が伝わって、歯車Cも 分の歯数だけ回転することになります。よって、回転数 は を で割ってとなることがわかります。
歯車の問題は時々出題されます。どのような動き方をするか、どのように考えるかは、この機会にマスターしておきましょう。
おわりに
ここでは、比例や反比例を利用する問題を見てきました。自分で変域を設定しないといけない問題や、利用の仕方が難しい問題を見ました。入試問題でも、こうした問題に取り組んでいかないといけないので、練習していきましょう。