【標準】一次式の計算

ここでは、一次式の計算方法を振り返りながら、いろいろな計算を行っていきます。

一次式の計算(加法や減法)

例題1
次の計算をしましょう。
(1) 0.2x+(0.6x+1)0.2x+(-0.6x+1)
(2) 13a(0.5a1)34-\dfrac{1}{3}a-\left(0.5a-1\right)-\dfrac{3}{4}

【基本】一次式の項とまとめ方【基本】一次式の加法や減法の内容を振り返りながら計算しましょう。

(1)はカッコをはずして計算します。
0.2x+(0.6x+1)=0.2x0.6x+1=0.4x+1\begin{align*} & 0.2x+(-0.6x+1) \\[5pt] =& 0.2x-0.6x+1 \\[5pt] =& -0.4x+1 \\[5pt] \end{align*}となります。 0.6x-0.6x を足す、というのは、 0.6x0.6x を引くことと同じなので、カッコをはずした後は2行目のようになります。小数が含まれている場合でも、文字のついている項は、係数をまとめて計算します。

(2)もカッコをはずして計算しますが、符号に注意しましょう。
13a(0.5a1)34=13a0.5a+134=26a36a+134=56a+14\begin{align*} & -\dfrac{1}{3}a-\left(0.5a-1\right)-\dfrac{3}{4} \\[5pt] =& -\dfrac{1}{3}a-0.5a+1-\dfrac{3}{4} \\[5pt] =& -\dfrac{2}{6}a-\frac{3}{6}a+1-\dfrac{3}{4} \\[5pt] =& -\dfrac{5}{6}a+\dfrac{1}{4} \\[5pt] \end{align*}となります。カッコの前にマイナスがついている場合、カッコをはずすと、中の符号がすべて変わる点に注意しましょう。この計算では、カッコ内にあった 1-1 は、カッコをはずすと +1+1 となります。

一次式の計算(乗法や除法)

例題2
次の計算をしましょう。
(1) 2×(6m+9)÷32\times (6m+9) \div 3
(2) 2(2x+7)(x2)3(3+x)2(2x+7)-(x-2)-3(3+x)
(3) 34(x2)5(x4+12)-\dfrac{3}{4}(x-2) -5 \left(-\dfrac{x}{4}+\dfrac{1}{2}\right)
(4) 12(49x+25)8(56x+110)12 \left(\dfrac{4}{9}x+\dfrac{2}{5}\right) -8\left(-\dfrac{5}{6}x+\dfrac{1}{10}\right)

【基本】一次式と数の乗法【基本】一次式と数の除法で見たことをもとに、計算していきます。

(1)はまずすべて掛け算になおしてから考えましょう。
2×(6m+9)÷3=2×(6m+9)×13=2×(2m+3)=4m+6\begin{align*} & 2\times (6m+9) \div 3 \\[5pt] =& 2\times (6m+9) \times \dfrac{1}{3} \\[5pt] =& 2\times (2m+3) \\[5pt] =& 4m+6 \\[5pt] \end{align*}となります。カッコの中に 13\dfrac{1}{3}22 を掛けるときには、カッコの各項に掛けないといけない点に注意しましょう。特に、2項目に掛けるのを忘れないようにしましょう。

(2)は分配法則を使ってカッコをはずしますが、符号に注意しましょう。
2(2x+7)(x2)3(3+x)=4x+14x+293x=7\begin{align*} & 2(2x+7)-(x-2)-3(3+x) \\[5pt] =& 4x+14 -x+2 -9-3x \\[5pt] =& 7 \\[5pt] \end{align*}となります。 xx の係数は 00 になりますが、このときは 0x0x とは書かず、省略します。

(3)は次のように計算します。
34(x2)5(x4+12)=34x+32+54x52=12x1\begin{align*} & -\dfrac{3}{4}(x-2) -5 \left(-\dfrac{x}{4}+\dfrac{1}{2}\right) \\[5pt] =& -\dfrac{3}{4}x+\dfrac{3}{2} +\dfrac{5}{4}x-\dfrac{5}{2} \\[5pt] =& \dfrac{1}{2}x-1 \\[5pt] \end{align*}

(4)は、分数になっていますが、同じようにカッコをはずして計算していきます。
12(49x+25)8(56x+110)=163x+245+203x45=12x+4\begin{align*} & 12 \left(\dfrac{4}{9}x+\dfrac{2}{5}\right) -8\left(-\dfrac{5}{6}x+\dfrac{1}{10}\right) \\[5pt] =& \dfrac{16}{3}x+\dfrac{24}{5}+\dfrac{20}{3}x-\dfrac{4}{5} \\[5pt] =& 12x+4 \\[5pt] \end{align*}分配法則を使ってかっこを外しつつ、約分もしています。2つ目のカッコをはずすときには、 8-8 を掛けないといけない点に注意しましょう。

おわりに

ここでは、一次式の計算を見てきました。カッコをはずすときに符号を変え忘れたり、掛け忘れるというミスをしやすいです。分数や小数があると式が複雑になって、より忘れやすくなるので注意して計算しましょう。

関連するページ